新ごみ処理施設建設に関する地元説明会(要旨)

○日 時 平成28年6月18日(土) 午後7時00分〜午後9時10分

(2時間10分)

○場 所 学習等供用施設 草井会館

○出席者 中般若区民 14名、般若区民 17名、草井区民 28名  59名

○傍聴者 江南市議会議員 5名、報道関係者 1名

○行 政 2市2町の市長、町長、部長、課長、江南丹羽環境管理組合局長、副主幹

準備室員 20名

○その他 一般財団法人 日本環境衛生センター 技術審査役

○内 容

地元意見等

行政回答等

(般若区民)

東海、東南海、南海トラフ大地震が近い将来、必ず発生すると言われているが、江南市の予想震度は。また、原発の炉と焼却場では、炉が違うが、施設が壊れてダイオキシン類が漏れるなどの心配はないか。

 

(準備室長)

愛知県が平成26年3月に発表している「東海、東南海、南海地域におきます予測調査報告書」によると、江南市の震度は5強で、江南市における揺れ等による建物全壊はごく僅かであるという予測結果になっている。また、ごみの処理施設というのは、通常の耐震の基準以上の強度で建設されており、地震発生時には焼却炉が安全に停止する。

東日本大震災においても揺れによる大きな被害は一つもなく、地震におけるダイオキシン類に関する事故もなかった。さらに、災害時には、発電可能な施設であるので、焼却施設として機能とともに、防災拠点としての役割も果たすものというふうに考えている。

(草井区民)

反対の多い地区に対して、施設見学会、講演会など多くの取組みを重ね、十分な説明責任を果たされたと思う。行政は、地元の地域の大多数が賛成するこの事業に早期に着手し、安定的なごみ処理をする必要がある。ごみ処理施設は、生活に必要なものであり、私達の子供や孫の世代のために、また、2市2町の全体の利益のためにごみ処理施設を早急に建設していただきたいと思う。

幹事長)

お話しをいただいた内容について、しっかりと検討していきたい。

 

(草井区民)

環境基準の数値であるが、自動車メーカーのように偽装値が発表されるという問題も出てくる可能性も無きにしもあらずだと思うが、私が一番心配しているのが、大気汚染と騒音公害、匂い公害、ごみ収集車の交通問題で、この大気汚染の資料を収集して発表していただける団体を教えていただきたい。

(準備室長)

大口町にある江南丹羽環境管理組合では、公害防止委員会が設置されており、その委員会の中で、ダイオキシン類あるいは、騒音、悪臭から土壌、水質等の検査を定期的に行っている。

ダイオキシン類等について、協定値というのは、0.6pg−TEQ/m3Nに対して、実際の数値は、0.017とか0.01pg−TEQ/m3Nで協定書と比べても遥かに小さい基準となっている。

(江南丹羽環境管理組合事務局長)

排ガスのダイオキシン類の分析調査結果ということで、法律による基準値が5ng−TEQ/m3Nで、これに対して、昨年度の実績で、A系、B系という測定地点があり、0.18、0.022というそれぞれの結果が出ている。基準値よりも随分低い値であると思っている。

(大口町長)

毎年、環境調査を実施しているが、数字を隠すということはなく、そのままの数字

 

を皆さんに提示をしているというのが現状である。ただ、皆さんもご存じのように33年前からずっと燃やし続けており、今の機械とは基準が全く違う。犬山市羽黒地区の皆さまや大口町河北地区の皆さまには、33年間、この形でご報告を申し上げ、我慢とまで言わないが、ご理解をいただいているのが現状である。

(日本環境衛生センター)

ごみ処理施設では、汚染物質といわれるものを、メーターで監視して連続的に悪い値になったら、法規制値以下でも機械を止めるというような仕組みで運転されている。しかし、施設の状況がどういうことか、いかに管理するかという観点から設置された計器であるので、法的には、それだけでは不十分である。

公害監視委員会で測定して、その値を報告するということで、誰がどうやって量るのかというのは、法的に決められており、計量法に基づき、環境計量士という専門的な資格を持った方が行っている。中立的な立場ということで計量証明を発行する権限も持ち、法律で決められた間隔で測定している。それが皆さんに報告されるということになるので、例えば、自動車メーカーでは社内でやっていたということだが、ごみ処理施設では、第3者機関を使っての測定ということになるので偽装ということはなかなか考えにくい。

(草井区民)

     大口町には、現在、補助金、協力金が出ているという話を伺っている。江南市においても期待してもよいのか。

(江南丹羽環境管理組合事務局長)

江南丹羽環境管理組合では、お地元の方が隣接している犬山市羽黒第2区、大地元である大口町河北上郷区という地域に対して、協力金ということで毎年、100万円を交付している。

(大口町長)

 これは、江南丹羽環境管理組合の中で決定されたものであるので、大口がこうだからといって、新しいところでもこれを押し付けるつもりは全くない。これから作られる委員会の中で皆さんと検討していくのが筋だと思う。

(草井区民)

     スライド32枚目にあった生態系の問題、交通渋滞の問題、排ガス規制の問題という質問があったという話であるが、その結果というか、どういうふうに考えているのか。 

(幹事長)

これまでは、建設場所が決まっていないということで、当然、拡散シミュレーション等は、実施できなかったが、建設地が決まったということで今後、環境アセスメントをやっていく中で、しっかりとシミュレーションを行って、その結果について、皆さま方に報告しながら進めていくということになる。

(般若区民)

説明のあったごみ処理方式の検討に関するところで、焼却処理の課題は、焼却灰の処理について検討することであるということだが、焼却灰がどういう経路でどこで処理されるとか、他の施設の事例などの詳しい資料はないのか。そうした資料がないと検討できないと思う。

(準備室長)

ごみ処理方式については決まっていないが、仮に焼却処理を選択した場合には焼却灰が発生する。中般若町北浦地区には最終処分場を造る予定はないので、民間の処理業者に委託する必要がある。

(幹事長)

今日の説明会ではそういった資料は用意していない。今後、ごみ処理方式については施設整備検討委員会で検討していくことになるが、その際の検討にあたっては具体的な資料を用いて検討していく。

(中般若区民)

健康被害を心配している住民が多いと思う。仮に地域住民から健康被害の訴えがあった場合にどのような対応をするつもりか。また、その健康被害の証明は誰が行うのか。地域住民の健康を守るための方策は考えているのか。

排ガスの測定については定期的に行うという説明があったが、行政側が測定する時期をある程度決めて測定するのであれば公正な測定とは言えない。そういった運用上の問題についてどう考えているのか。

新しい施設については、予算が足りなくなって不十分な施設しかできませんでしたということがないようにしてほしい。

(日本環境衛生センター)

健康被害について、最近の焼却施設では、法律に定められている排出基準を大きく下回る。

(大口町長)

これから造っていく施設は現在稼働している施設よりも、より厳しい基準でやっていくことになると思う。現在の施設でも地域住民から要望があれば健康診断や血液検査を行う仕組みがある。

排ガスの測定なども公害防止委員会の委員の立会いのもと行い、数値は公表している。測定結果を隠したりするとかいったことは当然考えてもいないが、仮に測定値を意図的に変えるとしても、そのほうが却って大変である。

新しい設備もあまり実績がないものを入れてしまっても事故に繋がる可能性もあるので、そういうことも含めて検討していきたい。

(般若区民)

ごみ処理施設だと排ガスや臭いが気になるが、新しく造るごみ処理施設は大丈夫か。

(大口町長)

現在の施設の周辺住民から、臭いについて苦情を受けたことはない。さらに新しい施設になれば、燃焼効率も上がり臭いも少なくなると思う。

臭いについては、焼却施設ではないが、愛北広域事務組合のし尿処理施設で別の場所の臭いが風で運ばれてきたということがあった。仮にもし臭いがあった場合は早急に調査し資料提供することはやらせていただく。

(草井区民)

 火事や爆発が起きたときには、どうすればいいか。

(幹事長)

火災が起こらないような設備を考えていくが、万が一、何らかの事情で火災等が発生した場合に避難が必要な状況であれば、当然対応させていただく。また、避難するようなことが無い場合でも情報はきちんとお伝えさせていただく。

(大口町長)

 火災や事故が起こった場合は、行政ももちろん対応するが、個人の命は大切なので、個人の判断で逃げてもらったほうが良い。

(会長)

現実的に、カセットコンロのボンベなどが原因で火災などが発生することはあるが、すぐに消火できる設備はある。

(日本環境衛生センター)

40年以上、廃棄物関連の分野で働いてきたが、ごみ処理施設の火災により住民が避難した例というのは、全国的にないと思う。消防法の規定が一般住宅に対する規定とは格段に厳しく、ごみ処理施設の内部の火災が外部に影響を及ぼした事例は記憶に無い。

(中般若区民)

私は基本的に反対という立場にいるが、なぜ反対の気持ちが強いかというと、今日まで決められてきた経緯に対して大変不信感をもっているからである。

元々1地区でも反対があれば白紙撤回するということだったと思うので、このまま建設を推進していくといろいろと無理が生じると思う。今後、地権者の反対や行政裁判が起きた場合、どう対応していくかを考えると、とても10年間で造るのは難しいと思う。その段階で、どうしても反対者がいるから話がまとまっていかないと言われそうだが、そうではなく、行政がここまで速やかな決定ができないような状況にもってきたからだと思う。中般若でいえば、最初の段階で納得できるような説明をしてくれなかったことが問題だと思う。

中般若町北浦地内に施設ができることはある部分では致し方ないが、中般若区の総会できちんと白黒が出ていれば、私も今のような立場には立っていなかったと思うが、私が納得できない形でことが進められて今に至っている。

 

(中般若区民)

 総会の総意ではなかったという発言があったが、決してそうではない。中般若区は重要な課題は総会で決定するという規約があり、アンケートも臨時総会で役員の賛成を取ったうえで行った。

そのアンケートの中に、結果は当時の役員に任せるという項目がある。総会を開いて調印してはどうかと、私個人の発言をしたが、私以外の役員は総会を開いてもまとまりがないから無駄であるという意見であったので、区のアンケート結果により、区の代表、区会で決めるということで調印した。中般若区の単独で調印したわけではないということをご理解いただきたい。

(準備室長)

 同意書については、平成26年2月11日に、多くの区会議員、正副区長らが集まり、区として同意するかどうか議論し、区として同意しましょうということで中般若区長さんがその場で区の印鑑を押していただいた。

(般若区民)

 中般若町の建設地は豊かな自然環境に恵まれた地域である。自然を生かして、休日にのんびり過ごせるような公園を整備していただきたい。

40数年経営してきた江南市の市民プールが今年から無くなった。建設の運びになった節は、温水プール等の建設もお願いしたい。

 

(草井区民)

 基本的に条件付き賛同がどの地区も多いということを考えていくと、条件が整わなければ反対という、逆のことも言えるが、地域振興策に関しては逆に予算を先に決めてもらい、その中でどういうものを作りたいか検討するという形がとれれば一番いいのではないか。

(幹事長)

 まずはお地元で条件や要望を具体的にお伺いする必要があると考えている。そして、地域振興策をどの程度やるかについては、まだどういった施設を作るのかが決まっていないので難しい。

今後、いろいろなことが決まったら、その都度その内容を踏まえて協議をさせていただきたいと考えている。今はまだそういったことが一切ないので、まずは要望を伺うことから始めることになる。

(草井区民)

(スライド第8章)「用地・補償のあらまし」について、機種も何も決まっていないのに、なぜ土地買収を始めるのか。

(幹事長)

 今回「用地・補償のあらまし」として、全体の流れを説明させていただいた。

 現在、中般若町北浦地内の全地権者の意向を伺うために戸別訪問を行っている。伺った状況を踏まえて、2市2町の第1小ブロック会議で、どれぐらいの大きさの施設を作っていくか等の検討をしていく中で、用地を実際に提供していただくことになれば、こういう流れになる。

(中般若区民)

「条件付き賛成」を「賛成」と含めて建設地を決定したが、その条件はのむという形での決定か。条件はのまないが賛成に含めてしまうということか。

(準備室長)

同意書の中には8つの項目が書かれており、その要望に対して、江南市として第1小ブロック会議に精一杯要望をしていくという条件で同意していただいている。

(犬山市長)

 例えば、未来永劫、税金全部タダにする等の極端なもの(条件)が出たとしてもなかなかのめないので、(条件の)内容によるかと思う。これから地元の皆さんと条件的なことももう少し詳しく整理していく流れになるかと思う。

(中般若区民)

 条件の内容を確認もせずに、「条件付き賛同」を「賛同」としてとらえて決定したということか。まだ決定してはいけなかったのではないか。

(準備室長)

アンケート結果を踏まえて、行政が「それぞれの区で、これは賛同だ」と押し付けたわけではなく、アンケート結果を見て、それぞれの区の方で判断して、区として同意しましょうということだと考えている。

(中般若区民)

 区から出た条件は、のんでもらえるということか。

(準備室長)

犬山市長が申したとおりである。

(中般若区民)

 条件をのんでもらえないのに(賛同とされるのは)住民としては不安である。

(犬山市長)

その点については我々も誠意をもって皆さんと向き合っていきたいと考えている。

(中般若区長)

今回、これだけで地元説明会は終わりではないと思うが、この前も、区としてお願いした、「中般若だけで(地元説明会を)やってもらえるのか」ということを皆さんに聞かれている。今日は葬式ができ、通夜のため来られない方が多かったので、その辺のご配慮もお願いしたい。

(準備室長)

 今後も地元説明会を開催して、地元の皆さんの意見を伺うような機会が生じれば、また各区長さんと相談して、開催について検討する。

(幹事長)

 中般若区さんから地元説明会はお地元単独で開催して欲しいという要望をいただいているので、そういった機会があった時には、区長さんともよく協議をさせていただいて進めたいと思う。

(会長)

 ここで言われることがあれば、皆さんに聞いていただいた方がいいと思う。中般若区だけというよりは、やはり全体で地域の問題として考えていくべきだと考えている。